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グレートリセット

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グレートリセット

東京にいる時には、時々神宮外苑やオリンピックスタジアムの周りを歩いています。先週から外苑及びスタジアム外周は交通規制が厳しくなり、一帯はロックダウン状態です。前代未聞の環境下でのオリンピックですが、オリンピックそのものの意義や開催のあり方を再考し、IOC(国際オリンピック委員会)の実態にもメスを入れる契機とするべきです。

1.グレートリセット

東京に4回目の緊急事態宣言が発令。五輪を開催するなら、もっと早くから無観客を決め、TVとネットで全競技・全試合完全中継の準備を周到に進めておけば良かったと思います。全競技・全試合ネット中継は意外に盛り上がると思います。 意見具申もしてきましたが、JOCも組織委員会も政府も聞く耳持たず。今からでは準備が間に合わないでしょう。選手もモチベーションを維持するのが大変な大会となりました。

個人的には2024年東京パリ共同開催を推奨していましたが、残念です。フランスの知人から「パリも準備にあと3年しかなく、財政も逼迫。来年には大統領選挙もあるので混乱する。共同開催は妙案」との反応でした。

開催期間を長くして、競技ごと、予選と決勝、開会式と閉会式、それぞれ東京とパリで棲み分け、タスキ掛けの計画を立てれば、観戦客は日本とフランスを往来します。

旅も楽しめるし、航空業界や旅行業界も助かるし、3年間にコロナ対策も十分できるし、良いことづくめ。そういう発想の転換ができないのが日本の限界です。

発想の転換と書いたら、今年のダボス会議のことを思い出しました。5月18日に中止が発表されました。

ダボス会議は世界経済フォーラム(WEF)が毎年スイスのダボスで開催する国際会議。1971年から続いています。WEFはジュネーブに本部がある非営利組織です。

例年1月から2月にかけて開かれますが、今年はコロナ禍の影響で8月にシンガポールで開催予定でしたが、それも中止にしたということです。

予定どおり開催されていれば今年のテーマは「グレートリセット」でした。グレートリセットとは、コロナ禍を契機に露呈した社会や経済などの矛盾を見直し、あらゆる仕組みをリセットして改善することを意味しています。

現在の社会や経済の弊害の中には、気候変動、地球温暖化問題も含まれています。グレートリセットしないと、地球の持続可能性も保障されないという危機感が背景にあります。

「今、行動を起こして社会をリセットしなければ、私たちの未来は深刻なダメージを受ける」

WEF会長のクラウス・シュワブは著書「COVID-19:The Great Reset(邦題「グレートリセット」)」の結論にそう記して警鐘を鳴らしています。

コロナ後に世界が発展するためには、GDP基準の量的拡大を目指すのではなく、全ての人々の幸福と地球の持続可能性を重視した政策が必要と説きます。

さらにシュワブは「経済をより公平で環境に優しい形に変えるチャンス」「歴史を見ると感染症はグレートリセット、国の経済や社会機構を組み直す大きな契機となってきた」「社会全体がここで一度立ち止まり、本当に価値があるものは何かを冷静に見つめ直す契機が訪れた」と記しています。

アムステルダム市は地球の持続可能性を公共政策の決定基準として正式に導入することを世界で初めて決定しました。この基準はドーナツエコノミーと言われ始めました。

この基準は2つの円(輪)で表現され、内側の円は人々が幸せに生活するために最低限必要な政策を表し、外側の円は地球システム科学の専門家が定義する生態学的境界です。

生態学的境界とは、気候、土壌、海洋、オゾン層、真水や生物多様性等の地球環境に悪影響を及ぼさないために、人間活動が絶対に超えてはいけない一線を示します。

2つの円の間の領域がスイートスポット(ドーナツの中身の部分)で、人間の経済活動や公共政策はこの範囲で行われなければならないと定義しました。生物が生存可能な太陽系のハビタブルゾーンに似ています。


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