472

メタバース

事務所

メタバース

3.MZ世代

さて、日本はどうでしょうか。一部にはコロナ禍により生じた「メタバース」バブルと見る向きもありますが、日本の悪い癖です。

世界に先んじている時は慢心し、世界に劣後し始めると新潮流の否定的材料を探して喧伝します。「メタバース」の今後は未知数ですが、現に動いていることは事実です。

上述のように任天堂の「あつまれどうぶつの森」も「メタバース」の一種。JTBが公開した「JTB島」のような活用の仕方も始まっています。ソニーは上述のEpic Gamesに累計5億ドル近く投資し、「メタバース」追随を視野に入れています。

GREEも子会社REALITYが提供するスマホ向けバーチャルライブ配信アプリを「メタバース」に進化させることを計画。アニメ調アバターを使ったライブ配信は既に人気ですが、利用者の8割以上が海外ユーザーだそうです。

地球上の各地の「3D世界」を公開する予定と聞いていますので、パリやニューヨーク等の町並みの中を自分のアバターが自由に旅行することができそうです。安くて安全な海外旅行です。

「メタバース」が韓国で先行している背景には、住宅価格高騰と所得格差に嫌気したMZ世代が「メタバース」の中に夢を求める傾向も影響しているそうです。

MZ世代とは「ミレニアル世代」と「Z世代」を統合した1981年から2010年代前半生まれの層を指します。

また、コロナ禍の影響で韓国では「非接触経済」という新造語が流行しています。つまり、MZ世代が「非接触経済」を生活空間にしているということです。

現実社会に怒りと限界を感じているMZ世代は「メタバース」を自分たちの生活の一部と捉えているそうです。生まれた時からIT機器に接しているネイティブインターネット世代ならではの社会現象です。

MZ世代での2大「非接触経済」空間は「Decentraland(以下D-Land)」と「Earth2(以下E-2)」です。

2015年末リリースのD-Landの中では、土地等の不動産、服や物品、空間内での名前等をNFTとして購入できます。流通通貨は「MANA」というトークン。今年9月時点の「MANA」の交換レートは1トークン0.8319ドル、時価総額は約15億ドル。

「MANA」は暗号通貨取引所で法定通貨を用いて購入したり、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産と交換することで取得できます。

D-Landのユーザーは仮想世界で土地を購入したり、ビジネスを展開。取引やビジネスが成立すれば、地価も上がるし、ビジネスも発展します。個人のみならず、投資会社や通信会社、さらには韓国政府もユーザーとして参入しているそうです。

土地所有者は自分の土地で建物を建てたり、ビジネスに利用できます。リリース当時には数千円程度で売られていた土地が、今では数千万円で取引されているそうです。

D-Landの変更や開発は、ユーザーのために活動する非営利団体として設立されたD-Land Foundationによって監督されています。

一方、2005年から開発が始まったE-2は昨年11月にサービス開始。地球上の世界各地を仮想空間の中で再現します。

もちろんNFTを活用した仮想通貨(暗号資産)で仮想空間内のサービスや物品を購入できるほか、E-2内でパリやニューヨークの土地を所有し、観光等の収益事業も行えます。

D-LandやE-2内でのアクティブなユーザーは韓国人です。D-Land内のユーザー数は1位が米国、2位が韓国。

E-2内の投資額1位は韓国人の約910万ドル、2位は米国人の750万ドル、3位はイタリア人の390万ドルとなっているそうです。

「メタバース」はまだまだ未知数ですが、その可能性にFacebookザッカーバークCEOはじめ、多くのIT関係者や企業が注目していることは事実です。

「馬鹿げたことをやっている」「バブルだ」と断じるのは簡単ですが、気がついたら日本だけ取り残されていたという事態は避けたいものです。

なお、中国政府がテンセントやバイトダンスを含む多くのIT企業に対する規制を強化している背景には、政府の制御が効かない仮想経済やそこで活動する人々が膨張することを恐れていることがあるようです。

(了)



関連する記事はありません。

 menu LINK